- 878 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/07/14(火) 07:12:18 ID:TvjlN9UlO
- ちょっとスレ違いかもだが、まとめに似た話があったので。コンビニの帰り道、目の前で猫が撥ねられた。鈍い音がして、車が走り去る。
猫がものすごい声で鳴いた。一音一音に濁点がついてるような凄まじい声。
もう何か考える前に道路飛び出した。夜中で交通量なかったし。
猫はとんでもないことになってた。まず助からないと直感できる程。
それでも放っておけなくて、目と鼻の先にあるかかりつけの獣医に連れて行くことにした。
全力疾走してる間も猫は聞いたこともないような叫びをあげる。
数分もせず病院について、先生は猫を見るなり言った。
「可哀想だけど僕には何もできない。苦しくないように安楽死させるくらいしか」
俺は迷わず頭を下げて、先生に頼んだ。殺してあげなきゃって思った。
猫は注射されてほどなくして息を引き取った。可愛いトラ猫だった。涙とか鼻水とか血とかいろんなもんで顔と服をぐちゃぐちゃにしたまま帰った。
何しても眠れなくて、明け方やっとうとうとしかけた頃に声が聞こえた。
「ミャッ!ビャッ!」みたいな声が家の外から近くなったり遠くなったりして聞こえる。
初めは得体がしれなくてドキッとしたけど、もしやあの猫か?と思ったら無視できなくて
恐る恐る外に出た。そんで「痛かったよな。助けられなくてごめんな」って謝った。
暗がりに合掌して中に戻ろうとしたら、玄関のノブにコンビニの袋が引っ掛かってた。
弁当とタバコとお茶。間違いなく事故現場に忘れてきたもの。
もう一度暗がりに礼言って、家に入ると声は止んだ。俺は泣きながら弁当食った。
ふと思い出して書いてみた。唯一の体験。