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第2907話 きよみちゃん(その2)

190 名前: & ◆i.GDT3f. 投稿日: 02/08/21 01:26
私引っ越したの5年生の時だから、その小学校の卒業アルバム持ってないのよ。
もうひとつ、色々つっこまれるの覚悟で、きよみちゃんが
私のために雨を降らしてくれた(今でも私はそう信じてる)話。
その日、”遠足のお知らせ”が配られた。
徒歩で2時間ほどかけて、ピクニックエリアのある大きい公園に
行く、というもの。
遠足といったら、子供なら普通大喜びというところだけど、
私は憂鬱だった。
191 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/21 01:27
なぜなら、前回の遠足が、つらい思い出になってしまったから。
他の子たちはみんな、当時流行りだった、
ピンクや赤のサンリオ関係の
お弁当箱に、タコのウィンナーやらハンバーグやらが
入っていたりして、とてもかわいらしかったが、
母子家庭の私の家は、そんな余裕もなく、
男物(死んだ父の物)の、真四角で、銀色の、
しぶ~ーいお弁当箱しかなかった。
192 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/21 01:29
漢字キット、使ってるからかなー?名前ちゃんと
“ぶるぶる”って打っても、出なかったりする。ごめんね。
続き
もちろん、おかずなんて質素なもので、
母の気持ちも考えず、
「こんなのイヤだ!赤いキティちゃんの
お弁当箱買ってよ!おかずもウィンナー入れて!」
とだだをこねたりした。
母が申し訳なさそうに、何度も
「ごめんね、ぶるぶる」
と言っていた(ひどいよねー私も)。
193 名前: & ◆i.GDT3f. 投稿日: 02/08/21 01:29
そして遠足のお昼の時間、
グループに別れてお弁当を食べることになり、
(きよみちゃんは、別の班になってしまった)
私は、一生懸命お弁当を包んであるフロシキ
(このフロシキがまた、やっぱり親父仕様だったんだけど)
で、お弁当箱を隠しながら食べていた。
でも、そのグループの中に、お約束のように
意地悪なリーダー各の女の子がいて、
目ざとく私のお弁当箱に注目。
194 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/21 01:30
リーダーは、にやにやしながら、隣りの
女の子に、私のお弁当を指さしつつ、
ひそひそと耳打ちした。
そしてまた、耳打ちされた子がそのまた隣りの子
に、と伝言ゲーム。
全員(6人ぐらい)にまわったところで、大爆笑。
私は、本当に消えて無くなってしまいたかった。
前ふり長くなったけど、とにかくそういう理由で、
私にとって、遠足イコール地獄、だった。
195 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/21 01:31
きよみちゃんも、あの時、遠巻きに見ていたらしく、
遠足のプリントをもらった時、
そんな私の気持ちを読んでか、
「ぶるぶるちゃん。私遠足行きたくないな。
学校の方が面白いし。ぶるぶるちゃんも?」
と言ってきた。
私は、即座に、
「私も行きたくないんだ。A子が意地悪だから」
と言った。きよみちゃんは、
「じゃ、雨が降るように、お祈りしてあげるから!」
と、言った。
196 名前: ぶるぶる 投稿日: 02/08/21 01:32
そして、遠足の前の晩、母親が茶箪笥から
例の銀色弁当箱を、出すのを横目で見つつ、
オーマイガッとなりながら、布団に入った私。次の朝。大雨。そりゃもー本当に、ドシャ降りで、
近所のドブ川は、あふれまくってた程。
嬉々として学校に行く私。もちろん遠足は中止。
「きよみちゃん!ほんとに雨降ったね!」
と、彼女を見つけるなり私は言った。
きよみちゃんは、にこにこと笑っているだけだった。

→第141話 きよみちゃん

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