- 72 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/02/22(月) 00:30:32 ID:MQ2y9XUaP
- 去年の夏、友達と友達の彼女に誘われて三人で飲みに行った。
一軒目の店でしばらく飲み、場所を変えようということで店を出た。
あたりはすっかり日も暮れて、三人でふらふら夜道を歩いていた。友達の彼女がふと、「ねぇ、アレ何?」と空を見て言った。
星ひとつみえない曇り空に、橙色の光がひとつ浮かんでいる。
動いてはいるのだがゆっくりなので飛行機ではないし、雲の下を飛んでいる割に
何の外観も見えないことから、飛行船や気球とも思えなかった。酔っていた私と友達は、彼女に「何だか分かんないけど、UFOってことで
いいじゃん」「UFOって良く見るよね」と軽く茶化してまた三人で歩き出した。しばらくして次の店はどっちに入ろう、という話を友達としていた時、
彼女が「キャァッ」と軽い悲鳴を上げた。振り向くと彼女の目は空に釘付けになっている。
ぱっと空を見上げると、さっきはひとつだった橙色の光がいくつも飛んでいることに気づいた。
しかも、建物の隙間や木々の隙間の死角から次々と出てきて、最終的には20は飛んでいた。道行く人も、不思議そうに空を眺めていて写真を撮ったりしている。
自分たち三人もすっかり酔いもさめて、見たことの無い光景に立ちすくんでしまった。あれから半年がたって、あれが何だったのかは分かったけれど、
知らない方が良かった気もする。