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第1830話 夢の中の廃屋

199 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/05/19(水) 02:17:12 ID:6LlW6IP80
3レスほどで長めだけど、ちょっと聞いてくれ。

父方の祖母の家は、山間部にあって、住宅地っぽい一画は
それなりにひらけてるが、それ以外の場所は普通の山と変わらん状態。
で、住宅地と山間部の境に、廃屋があったんだ。
俺はその廃屋に向かって、歩いていた。
(あぁ、そうそう。子供のころに、兄弟や従兄と探検しに行ったよなぁ) と
幼年時代をなつかしく思いながら。

で、しばらく歩くと、廃屋に到着。
俺の子供のころでさえ、ぼろぼろだったその家は20年を経て
いまにも朽ち果てそうだった。
さすがにいい年して、廃屋に入る気にはなれなかったので
ひとしきり子供時代の感慨にふけったところで、帰ろうと廃屋に背中を向けた瞬間
「何をしに来た」と、しわがれた声。

え?と思って振り向くと、さっきは気付かなかったが
廃屋の中に、人が立っている。パッと見ても、男か女かもわからないほど
年を取った老人が一人。ボロボロの服を着、腰も曲がり、相当な高齢だと一目でわかった。
それよりも何よりも、異様だったのが目つき。
それほどの高齢なのに、目つきがやけに鋭く蛇に睨まれたカエルのように
一瞬、身動きが取れなかった。

(うわ、こえぇ) そう思った瞬間、目が覚めた。

201 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/05/19(水) 02:18:24 ID:6LlW6IP80
そんな夢を見たことも、すっかり忘れた1ヶ月くらい後のこと
祖母が亡くなった。享年93歳。

これだけ長生きしていれば、葬儀といっても
そこまで湿っぽい感じにはならず、集まった親戚一同は
おのおの近況を報告しあったり、思い思いに思い出話に
花を咲かせたりしていた。

そのうち、叔父に呼び止められた。
「なぁ、○○くん、タバコ買ってきてくれ」
そう言って、俺に千円札を渡してきた。
「それはいいけど、このあたりに自販あったっけ」
「5分ほど歩いたところにあるわ、ほら、ちょうど小学校の裏手あたり」
簡単に道を説明されて、俺は煙草を買いに行った。
時刻は夕方で、真っ暗というほどではないが、あたりは薄暗くなっている。

タバコを無事に買えたのは良かったんだけど、暗い上にあまり目印になるような
ものがないせいで、帰り道を間違えて、俺は例の廃屋の前に出てきてしまった。
子供のころに、探検しにきたことを思い出して、一瞬懐かしくなった。
が、それも束の間、俺は先日見た夢を思い出してしまった。
(あの時は、変な年寄りが急に現れたんだよな、あー、やだやだ)

急に不安になって、思わず目の前の廃屋を凝視して
人影がいないか、確認してしまう。
だが、当然というか何というか、人影はなし。
ほっとして、きた道を引き返そうと、廃屋に背中を向ける。
その時、ガタッ、と背後で音がした。
音の位置からして、明らかに廃屋が発信源。
飛び上るほどビックリして、後ろも振り返らずに
俺はその場所から、ダッシュで逃げだした。

202 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/05/19(水) 02:19:52 ID:6LlW6IP80
全力疾走で帰ってきた俺に、親戚の人たちは驚いていたが
さすがに、事情を説明もできず、最近運動不足だから走ってみたと誤魔化しておいた。
学生時代はサッカーをしていたおかげで、言い訳もあまり不審がられずセーフ。

で、少ししてから、思い出話をよそおって
昔一緒に探検した地元の従兄に廃屋のことを聞いてみたら
「あー、もう取り壊されたな、何年か前に。一時期はホームレスが住み着いて
みんな困ってたから。でも、追い出すわけにもいかんやろ。
そのホームレスが亡くなった時に、今後こういうことがないように壊してん」
(え…嘘…)
思わず絶句して、何も言えなかった。

次の日、火葬場に行く道すがら、従兄が声をかけてきた。
「ほらほら、あそこ。あそこが廃屋のあったところ」
そう言って、更地を指差している。位置からして、昨日の晩に俺が迷い込んだ場所に間違いなかった。
その後、従兄をはじめ、地元の人にそれとなく探りを入れてみたけど
例の場所で心霊体験とか、そういう噂も特にないらしい。

オチはないけど、なんか腑に落ちない俺の体験。
ちなみに、夢で見た年寄り=ホームレスかは確認していない。
そうだったら、怖すぎるんで。

222 :本当にあった怖い名無し[sage] :2010/05/19(水) 22:27:38 ID:6LlW6IP80
>>204
遅レスだけど、祖母は病死だったから
廃屋の老人とは関係ないと思う。
1ヶ月たって、恐怖心も薄れてきたから
カキコしたのに、昨夜また、廃屋の夢みちゃったよ。
もうやだ
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