- 131 :本当にあった怖い名無し :2010/06/29(火) 17:11:20 ID:nrKO+fI20
- 九州から大阪へ向かう夜行バスに乗ったときの話だ。
時間はよくわからないが、夜明け頃だったと思う。夜行バスには乗り慣れていたから、いつもは目的地まで余裕で熟睡できる俺だが、
その時は、なにやらうめき声のような音で目が覚めてしまった。「ううううぅ……ううぅ……」と言った感じで、やけに苦しそうな声だった。
誰かうなされてるのかなあ?と思っていると声はどんどん大きくなり、
「ううぅ……う……んてんしゅさあん……うぅぅ運転手さあん……」と、
何度も何度も「運転手さあん」を繰り返し始めた。ところがバスは乗務員の休憩中でPAだかSAだかに停車している。
運転手は車外だ。俺は、他の客が心臓発作でも起こしたのかと思って席を立ち、
シートを覗き込みながら出口に向かった。ところが、みんな寝ている。こんなにでかい声でうめいているのに、みんなシカトかよ。
と最初は思ったが、シートの最前列までたどり着いてやっと気付いた。みんな寝てるのに、誰がうめき声を上げてるんだ?
すると、声はボリュームを絞るようにどんどん小さくなり、消えていった。
最前列の爺さんが目を覚まし、不審そうな目でこっちを見ていた。
変な疑いを掛けられても困るんで、そのまま席へ帰った。もう一睡もできなかった。