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第1951話 友人の奥さん

360 :1/4:2010/08/20(金) 00:06:43 ID:peQFUTwc0
たまに目にする「そんな人最初からいない」的な出来事につい最近遭遇した。
仲の良い同級生グループ(男だけ5人ほど)がいてその内2人が近々結婚することになった。

2人とも年内には式挙げるって言ってたんだけど、片方のAが先に籍だけ入れた。
その連絡がメールで入ってて、その日の夜に祝いも兼ねて皆で集まろうってことになった。
無論奥さんになったB子さんも連れて来てたし、もう片方のCも彼女のD子ちゃんを連れて来てた。
その日はカラオケ行ったりして帰ったんだが、それからもちょくちょく皆で遊んでたんだ。
で、近いうちに皆でBBQでもしようという話しになって先日行って来た。

帰り際になって生憎の夕立ちで皆ズブ濡れで、急いで車に駆け込んだ。
俺はAの車にB子さんと共に乗せてもらってたんだけど、
B子さんが気ぃ利かせてくれて「このタオル乾いてるから」とタオルを手渡してくれた。

その日は晩飯も皆で食べようということになったんだけど、とりあえず皆一旦帰って
風呂入ることにした。
で、借りたタオルを車内に置いとくのもなんなんで洗って返す旨伝えて持って帰った。

しばらくしてAに電話して「多分B子さんに借りたんだけど、タオルどうしたらいい?」
と聞くと受話器越しにAとB子さんが会話してるのがポツポツと聞こえた。
「いつでもいいよ。また今度皆で集まる時にでも持って来て」という
「そうか、じゃぁ今度持って行く」といって電話を切ろうとしたらB子さんが
「いつでもいいよ。ありがとうって言っといて」なんて声も聞こえて来た。

361 :2/4:2010/08/20(金) 00:07:58 ID:peQFUTwc0
で、つい先日皆で遊ぼうってことになって勿論俺はタオルを持って行った。
ところがB子さんの姿がない。Aに「B子さんどうしたん?これお前に渡しとくわ」と
タオルを返そうとしたがAは一瞬目を大きくして止まった。
「B子さん…?」
明らかにそんな人知りませんって感じだった。
「お前の嫁だろ、つうかこの前電話しただろ。タオルありがとうって伝えといて」
そういってタオルを手渡そうとしても
「何…タオル??これ誰の?俺知らんぞ」
なんて言う。
「いやだからBBQの時…」
そうこうしてるとD子ちゃんが「あ、それ私の」と言う。
「え?D子ちゃんのだったの?」
「そうだよ。洗濯してくれるって言ってたね、いいのにそんなん。」
そういって手を出すもんだから俺はD子ちゃんにタオルを手渡した。

タオルはD子ちゃんのものだったとして、さっきのAの反応が気になったので
俺は改めてAに「B子さん今日は?」と聞いた。
「だから誰よ?その人?」
「いや、お前の嫁さん」
そこまで言って皆の顔を見たら全員凄い怪訝な顔してる。
俺はそういうノリなのかと思って「もういいよお前ら」的なことで流してたが
あまりにも皆が真剣な顔をしているのでその内よく分からなくなって来た俺は

362 :3/4:2010/08/20(金) 00:09:37 ID:peQFUTwc0
「なぁ、マジで言ってんの?B子さんと籍入れたってメール送って来ただろ。
つうかこの前のBBQも一緒に行っただろ…」
と、真剣にいつ何処で皆で遊んだだの、B子さんが聞かせてくれた前職だの
B子さんにまつわる事柄を必死で説明し出した。

それでもAは「○○ちゃんもういいよ。本気で言ってんの?」と怪訝な顔をする。
Cや他の連中も「お前色んなとこで働いて来たから、前職の知り合いの話しかなんかと勘違い
してないか?」と言う。
いよいよ訳が分からなくなって来た俺は言葉に詰まって考えを巡らせたが
何をどう考えてもこれは別の人の話しじゃない。
そうこうしてるとD子ちゃんが
「これ(タオル)は私がA君に貸してて…それを○○君が使って、洗濯して返すからって」
と言いだした。
どこをどう記憶を辿っても俺はAの車の中でB子さんから手渡されてる。
「いや、でも俺Aに電話した時B子さんも傍にいて、声もしてたし」
俺がそういうとAは携帯を取り出し俺にアドレス帳や着信履歴を見せた。
B子さんの名前もなければ、俺からの着信もBBQ以来一度もない。
俺は自分の携帯を見たが仕事の都合上、着信量が異常に多い俺の携帯には
一番古いもので今日の日付のものだった。
「本当にB子さん知らんの?皆??」
俺がそう聞いても誰もかれも首を傾げるばかり

365 :4/4:2010/08/20(金) 00:11:50 ID:peQFUTwc0
「B子さんなんていないよ…。結婚するの私とC君だけだし、籍もまだ入れてないし」

D子ちゃんにそう言われて寒気が走った俺は押し黙った。
その日はとりあえず皆で遊んで帰ったが、後日俺は写真が大好きでいつもデジカメを
持ち歩いているCにBBQの写真が無いか聞いたがあの日は撮ってないという
いわく撮ろうとしたら雨が降って来たから皆車に駆け込んだと。
それ以前の写真をコンビニで全てプリントアウトしたがB子さんの姿は一切無かった。
怖くなった俺はCにお前の彼女はD子ちゃんで勿論実在するよな?と聞いた。

「誰それ?D子なんていないよ…。○○ちゃん大丈夫??」

完全に固まった俺にCは写真を指差して

「嘘だよ、D子は俺と結婚する人だよ。ちゃんと映ってるだろ」

と笑った後、

「でもB子さんはホントに知らんぞ」

そう言って微妙な表情を浮かべた。

なんか無意味に長文になった。普通に怖かった。てか今でも怖い。

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