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第172話 二回

469 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/10/15 02:00
その一

リア厨の頃の話なのですが。(中三)
それぞれクラスは違うけど、仲良し五人組でいつも一緒でした。
当時、僕等は学校が終わってから、一度家に戻り、
塾へ行くまでの間、順番に誰かの家に集合して、マンガ読んだり
アニメを観たりして過ごしました。
ある日、いつものようにA宅二階で五人が集まり、僕はマンガ本を
もう一人はお菓子を食べながら、そしてあと三人はテレビを?
観てたと思う。その三人のうち、Yってやつがトイレへ行った。
トイレは一階にあり、Yは六畳ふすまのその部屋を出て、階段を
降りていった。
時間は夕刻、五時ごろ。アニメの時間から察するにそういう時間
だったと。で、Yがトイレに行ったと書いたけど、実はその辺は
記憶していない。想像だ。
しかし、確かに僕等のいる部屋から一人が出て行ったことには違いない
それがYだと言う事もハッキリしている。
問題はこのあと。

470 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/10/15 02:04
その二
Yが戻ってきた。ふすまを開けて「ただいま」 Aがそれに答えて「おう」
間髪いれず、Yがふすまを開けて「ただいま」 Aがそれに答えて「おう」
僕等は「え?」と顔を見合わせた。何故か好奇心旺盛な
ガキらしく、皆一様に愉快な事に興奮しているような顔つきだった。
僕もとっさの事に、マンガを置いて息を呑んだ。
誰か二人が声をそろえた。 「二回目!」
同時に同じコトが連続して起こったのです。
Yがふすまを開けて「ただいま」Aが「おう」 それが間をおかずに二回。
例えば、Yが悪戯目的で一度ふすまを開けて、一旦閉じ
もう一度開けて「ただいま」だったら、ふすまを閉じてる
時間が多少必要になる。また、Aはふすまを開けて「ただいま」
というYを実際に目撃している。二回。
Aは寝そべってテレビを観ていたので、「おう」と言ったときは
ちらっとYの方を向いただけ。それも二回立て続けに。
ただ、僕とお菓子を食べていたもう一人、そしてテレビを観ていた
もう一人は、自分の行動が二回起こった自覚はない。
ひょっとしたら、マンガを読んでいた僕などは、同じ所を二度
(同じコマを)読んだかもしれないが、そういうことは別に
意識するほどの事も無いので、二度読んだという自覚に結びつかな
かったのだろうと思う。
とにかく、僕等は盛り上がった。しかしその晩、一人になって
考えてみて、ぞ~っとした。 あれは何だったのだろうかと。
幽霊でも何でもなく、とにかく気味悪い。一番、気にしていたのは
Yだ。もう何年も会ってないが、当時は「あれは本当にわからない」
とか、「確かに二度立て続けにふすまを開けたしなあ」とか。
さらにこんな事も言っていた。
「最初に開けた時、部屋の雰囲気がちょっと暗かったような」
僕はそこに手がかりがあると思ったのだが、あえて言及しなかったし
皆その話題にあまりふれようとはしなかったので、僕も忘れる事に
していた。実際、あれは不思議な感覚だった。
オカ板に前々から書こうと思っていた内容だが、このスレにした。
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