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第194話 ななめ

234 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :02/11/22 15:11
あれは中学生の頃。

俺は友達と廊下で、丸めたガムテープをボールにして、
サッカーをしていた。
その時の俺のポジションは、キーパー。
味方が攻めていて暇だった俺は、何気なく後ろの壁に寄りかかった。

すると、背中に何かチクチク当たるの物が。
不思議に思って後ろを見ると、剥れ掛けた壁紙の先が当たった様だ。
しかし、よく見るとその壁紙、壁全体でなく一部分のみ貼られている。
まるで、何かを隠すように。

とりあえず軽く剥がしてみた。すると何やら「な」という文字が見えるではないか。
おおっ!と思い、すぐに友達を呼ぶ。まるで都市伝説のような展開に、友達も喜ぶ。
「呪いの言葉じゃない?」「自殺した人の遺書だよ」等、様々な意見が飛び交った。
みるみるギャラリーは膨れ上がり、壁紙の前はちょっとした人だかりができた。

235 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :02/11/22 15:12
そして、俺と友達がまるで何かのお披露目式のように、仰々しく壁紙を剥がし始めた。
だんだんと隠された文字が姿を現す…随分と大きな文字のようだ。
そしてついに壁紙を剥がし終えた。
そこには、俺の身長と同じ位の巨大な文字でこう書いてあった。


  な
    め
   │

沈黙が流れた。あまりにも間抜けな響きにみんな困惑しているようだった。
無論俺も困惑した。呪いの言葉には到底思えないし、落書きにしてもかなり意味が解らない。
結局、拍子抜けした感じでその場は解散。その後、俺は主犯として先生にこっぴどく怒られた。

236 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :02/11/22 15:13
~後日談

あれから一週間がたった頃だろうか。みんなもう殆ど壁紙の件を忘れかけていた。
そんな時、俺と友達が廊下で雑談をしていると、1つ上の学年の知能障害の生徒が、
「なぁぁ~なめぇぇぇ!!!!」と叫びながら、物凄い勢いで俺達の目の前を走り抜けていった。
そして、そのまま女子中学生の群れにダイブ。その後、不良軍団にボコボコにされていた。
多分、彼はあの文字に呪われていたんだろう。きっとそうだ。

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