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第2286話 理想の老夫婦

424 :本当にあった怖い名無し:2011/04/29(金) 07:58:27.59 ID:aXpOgUEW0
久しぶりに書き込もう。
怖さなんて微塵もない上に短い話だけど…

ちよっと過去の話。
ハードな部活をやってた俺は、終電で帰ることがたまにあった。
俺の降りる駅は、そこが終点になることもあれば、その先の駅が終点になることもある駅。
終点の時は寝ちゃっても駅員さんが起こしてくれるんだが、
そうでない時は行き過ぎた上に帰りの電車がなくなって、
恥ずかしながら親に車で迎えにきてもらってた。

で、その時も電車の中で熟睡してたわけだが…
俺の降りる駅に着いた時、誰かに起こされたんだ。
起こしてくれた人の方を見やると、人の良さそうな老夫婦がいて、
「◯◯駅ですよ~」
って言ってくれた。
慌てて礼をいう俺を見てニコニコ笑いながらその夫婦は電車を降り、
俺も当然急いで電車を降りた。

電車を出た後、老夫婦に改めてお礼を言おうと思って結構探したんだが、
どこにもいなかった。
降りるタイミングは2、3秒しか変わらなかったはずなのに…
不思議なのはそれだけじゃなかった。

おれの乗ってた電車は、そこが終点ではなかったんだ。
事実、電車の外から中を見たら熟睡してる人はちらほらいたし、
電車の電光掲示板?にも次の駅の名前が出てた。
俺は老夫婦にあった記憶なんてなく、初対面のはずだ。
なのに、何故あの夫婦は俺の降りる駅を知ってて、
さらに起こしてくれたのか…未だにわからん。

あの時の老夫婦の顔は未だに覚えてて、たまに思い出したらなんかほっこりするんだよなぁ…
本当に人の良さそうな、理想の老夫婦って感じだったんだよ。

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