第3755話 ツーリングで

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805本当にあった怖い名無し2021/11/30(火) 19:35:59.66ID:8d3JPIxl0
去年のいまごろ、
一人バイクで兵庫県の多可町にツーリングに行った。
ここは紙すき場があって杉原紙で有名なところだ。
せっかくだからちょっと寄って道中のお守りを買った。
どこにでもある和紙に梵字のようなものが書かれたものである。
まだ時間に余裕があったので、千ケ峰に登ることにした。
千メートルなんてどうせ大したことないと舐めていた。
散々迷ってようやっと頂上までたどり着いたのは17:30ごろ。
太陽は完全に地平線から消えてしまっていた。
闇の中にぼうっと立っているのは「南無妙法蓮華経」の石碑。
1960年代に神戸の人がここで遭難して亡くなった鎮魂の碑だとか。
登る前に仕入れたスマホからの情報も
今となっては読まなきゃよかったと思うくらい不気味だった。
無事に下りられますよう一応、祈って早々に下山する。
11月の後半はすでに頂上付近は雪でぬかるんでおり、
ただでさえ危ないのに灯りはスマホのライトだけ。
汗で濡れた身体に11月の山頂の風が容赦なく吹きつける。
完全に思慮不足だったと後悔しても遅い。
何度も尻もちをつき、服も泥にまみれて、吐き気までしてきた。
道が途中で分かれて、どちらが正解か分からない。
それでも何とか時間をかけて駐車場までたどり着いた。
生きたぁと心底おもった。その瞬間。
山の後ろからはっきりと「良かったね」という声が聞こえた。
一瞬ゾクリとしたが、それよりも助かったという安堵感と、
これからバイクで帰らなきゃいけないというしんどさから
怖いという感覚は失せていた。
寒さに震えながら、なんとか二時間ほどかけて自宅に帰り、
風呂にはいって飯をくうとようやっと気持ちに余裕が出てきた。
リュックをあけると、あのお守りが出てきた。
お守りは綺麗に十字に裂けていた。

806本当にあった怖い名無し2021/11/30(火) 19:54:44.19ID:pvyMtfj40
何これ小説?

808本当にあった怖い名無し2021/11/30(火) 22:13:00.69ID:8d3JPIxl0
>>806
石碑

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一応体験談
どちらにせよ。
冬場に昼過ぎから登山なんてするもんじゃないね。

812本当にあった怖い名無し2021/12/01(水) 05:53:32.33ID:6l2O9o/n0
>>805
無事帰還おめでとう。凄い体験だったね。
お守りはなんていう神社、またはお寺のもの?
そのお守りの写真はある?
声が聞こえた山の後ろって、自分が山を背に立ってた時に、自分の後ろから聞こえたって解釈で合ってる?

823本当にあった怖い名無し2021/12/02(木) 21:19:47.18ID:TecfztLT0
>>812
ありがとう。後で調べたらクマも出没する山なようでゾッとしました。
解釈はそれで間違いないです。
お守りは杉原紙の里という道の駅で普通に売られていた厄除けのお守りです。
ただ違うのは和紙だったのと手書きのようなものだったくらいかと。
流石に十字に裂けたお守りは怖くて写真には撮らずでした。
おそらく尻もちをついた拍子に破れたのだと思います。

824本当にあった怖い名無し2021/12/03(金) 02:39:53.54ID:xpTOstdW0
>>823
お守りは直接神社仏閣で入手したんじゃなかったのね。梵字っぽいてことはお寺さんのかな?身代りになってくれたほど(?)すごく効き目あったようだからどこのか知りたかったな。でもその道の駅で手に入ることはわかったし、ありがとう。
声の主は誰だったんだろうね?守ってくれた存在だったのかな?もし皮肉っぽく聞こえたなら逆の存在だけど、そうではなかったんだよね?
とにかくその見えない存在に対しては、思い出すたび感謝してあげといてね。
それにしても山頂の写真、ほぼどっぷり暮れてるけど、登りの途中で引き返さなかったその判断は素人とはいえ、いや素人だからこそ、かなりまずかったね。もう十分懲りたろうけど。ほんと、無事戻れて良かったよ。

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