第3732話 障害者支援施設にて

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936本当にあった怖い名無し2021/06/17(木) 01:49:18.70ID:RonpzcYH0
自分は障害者支援施設という障害者の生活を支える仕事をしています。障害者と聞くと関わりのない
方は大変そうと感じるかもしれませんが慣れると利用者の方がトラブルを起こすことなく基本的に見
守りをするだけなので個人的には楽な仕事です。

施設ということで業務に夜勤があるのですが皆さんが寝静まった後は1時間に一回ほどの見回りと雑務だけなのでスマホを
いじったり個人的なことを待機部屋でしていました。
そんな夜勤で起こった話です。自分はいつも通り洗濯や日誌の記録と見回りを終え待機部屋でゴロゴロしていました。少し
うたた寝をしてしまいましたが物音で起きることになりました。

20分ほど寝ていたみたいで時計を確認すると午前1時を回っていました。物音がすることは利用者の方が起きてトイレに行った
りなどよくあることですが一応確認をしに行きました。そこはSさんという少々問題のある方の居室でした。彼は自分の排泄物
を撒き散らしたり食べてしまうことがあり医師の話ではこの状態が続けば長くはないということでした。本来なら人手不足
なうちではなく余裕のある施設で見るべき方なのですが障害者は施設ではなく地域で暮らしていくのがあるべき姿という方針なため
障害者の施設は少なく、どこも受け入れが難しいためリスク
はありますが仕方がなく受け入れていました。

937本当にあった怖い名無し2021/06/17(木) 01:50:14.58ID:RonpzcYH0
排泄物が撒き散らされるとたまったもんじゃあないので急いで確認すると特に変わった
様子もなく静かに寝息を立てていました。安心して居室を出るとすぐ目の前に別の利用者のTさんとOさんが立っていました。
暗闇なので少しびっくりしましたが「どうしましたか?眠れないですか?」と聞きました。二人とも自閉症や知的の特性がある方
ですが言葉の理解はある程度できる方でTさんは本当は発語できるんですがジェスチャーで意思を伝えることができ、
Oさんは単語で自分の意思を伝えることができます。Oさんは「Iさん、いた」というのですが利用者の中にIさんという方はおりません。
とりあえず話を続けてもらうために「Iさんについてきたの?」と問うとTさんが頷きましたが当然私はそのような人は見ておりません。

続けてOさんが「心配」と口にしたのでどうしてと続きを施すと「Sさん」と言いました。利用者が他の利用者を心配する
ことは結構あるので「大丈夫だよ、ついさっき確認しましたから」と伝えIさんという人物は気になりましたが、夜も遅いので二人には
居室に戻ってもらおうと部屋の前まで誘導しました。すると先程いたSさんの居室のあたりから足音が聞こえてきました。もう一人
の職員か他の利用者かなと思いましたがOさんは「Iさん」というのです。

少し恐怖を感じましたが不法侵入かもしれないため利用者の居室をできるとこだけ施錠し後は足音がしたSさんのほうだけなため向かうことにしました。
するとまた足音がしており近づくにつれ独特な足音だとわかりました。片足をひきづるような片足をで歩いているような音でした。利用者の中に
生まれつき足が曲がっているかたがいますが、その方は施錠した際に居室にいることを確認したため違います。自分でも冷や汗が出ているのを感じて
いましたが仕事を放棄することはできないため不安ですが向かいました。足音は突然消えましたが感覚的にSさんの位置で消えたと感じ、Sさんの居室を
確認できる位置まで来た時暗闇なためはっきりとは見えなかったのですが人影があることに気づきました。

938本当にあった怖い名無し2021/06/17(木) 01:51:13.64ID:RonpzcYH0
やはり片足が不自由なのか普通の姿勢ではないように見えました。しかし職員にも利用者にもそんな人はいないため確認するしかありません。私と謎の影は20mほど
離れていたためが大きめな声で「誰ですか!?」と聞きましたがSさんの居室の前で立ち止まったまま全く動きませんでした。
ふとOさんの言ったIさんのことを思い出し私はその人影に「Iさん?」と問いかけるとこちらを振り向いたように見え少しだけ表情が見えたのですが
ニヤっと笑っていたように感じます。そのままSさんの居室にその人影は吸い込まれるように入っていきました。

私は見てしまったという感情がありましたがSさんが心配になり急いで確認に行きました。しかし先程と変わらずすやすやと寝息を立てて
いるだけで変化は見られませんでした。気になるものの問題は起きていないし報告日誌に幽霊が出たなんて書くわけにもいかないのでもう一人の夜勤者の
Kさんに交代し2時間の睡眠休憩に入りました少し疲れていたため直ぐに眠りにはつけましたが1時間ほど経って慌てた様子のKさんが私を起こしてきました。
「Sさんの脈がない!」その瞬間Iさんのことが脳裏に過りましたが急いで確認に向うと脈がたしかになく、強烈に臭いため身体を確認すると手と口周りに
排泄物が付着していました。直ぐに救急車を呼びました。

そこからは色々な処理に追われて特に書くことはないのですが死因はやはり排泄物を口に含んだ窒息死でした。しかし窒息の原因は自身の
手で首を絞めたことによるものだそうです。普段からSさんの介助をしていた私はSさんが自分で絞めるかなと疑問を浮かべながらも納得しました。
それからSさんの問題も落ち着き施設は通常通りに戻りました。

939本当にあった怖い名無し2021/06/17(木) 01:52:29.64ID:RonpzcYH0
ある日の休憩中たまたま休憩が一緒になった施設ができた初期の頃からいる支援員Gさんにあの夜勤で起きたことが
未だに気になっていたので話してみました。するとGさんは少し難しい顔でIさんは過去にこの施設に入所していた利用者だと教えてくれました。
そしてもうすでに亡くなっているとも。

なんでも古くからいるGさんと高齢な利用者しか知らないらしくGさん自体もIさんの霊なんて見たことはないとのこと。ではどうしてIさんは亡く
なったのか聞いてみたら窒息死でした。同じ居室の利用者に首を絞められたそうです。そしてそれが起こった部屋がSさんが暮らしていた居室でした。
そのことを話したGさんは休憩が終わったので業務に戻って行きました。

もしかしたらSさんを間違えてやったのかもと色々考えましたがもう終わったことですから深く考えずそのことも忘れていたのですが最近に
なって元々Sさんのいた居室のある棟を改築するみたいなので
思い出し書きました。あれ以降Iさんを見たという噂もありません。
 思い出しつつかいたので文章適当なのはすみません。

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『第3732話 障害者支援施設にて』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2022/03/20(日) 19:44:51 ID:949e1c3e7

    再開日の更新はここまでか、エニグマらしい不思議な話ばかりで楽しかった
    けど多すぎ読者のことも考えてよ

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2022/06/05(日) 19:27:44 ID:6dbe9fb98

    サイト運営の人は好意でやっているだけ。感謝こそすれ、なんでそんなことまで読者のことを考えて少なくするべきなのか皆目理解しがたい。。

  3. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2022/06/06(月) 16:22:40 ID:9f6a828ab

    ※1は多分褒めてるつもりなんだろうけど、これじゃ伝わらんわな…

  4. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2022/12/08(木) 13:19:57 ID:db76abf6c

    俺も※3を読むまで※2と同じ感想を持っちまったわ