第3803話 214号室

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0225本当にあった怖い名無し2023/11/07(火) 00:10:34.63ID:GpjIafaP0
自分が大学進学の為に田舎から出てきた頃の随分と昔の話なんだが
4月の何度目かの講義の際に上京後、初めての友人が出来て自分のアパートに遊びに来る事になった
講義が終わってから帰路にスーパーに寄って食材を買い込み部屋に着いたのは午後4時前頃だったと思う
4月だったのでまだ周囲も明るく何かを見間違う様な季節・時間帯ではなかった

自分の部屋は203号室でアパートは各階13部屋×3階建の全部で39部屋ある大型の物件だった
当時は4号室は縁起が良くないという事で203号の隣は205号という扱いで一番端の部屋番号は214号だった
自分の部屋の前に着いた時に一番端の214号室の前には濃いめのスーツを着た男性が立っていた

0226本当にあった怖い名無し2023/11/07(火) 00:18:02.20ID:GpjIafaP0
「セールスかな?NHKの集金だったら嫌だな…居留守は使えないし困った」なんて事を思いながら
鍵を差し込もうとした所、視界の端に映るスーツ姿の男性がスーッと214号室に吸い込まれるように入っていった
ビックリして隣の友人の顔を見ると友人もまた驚いたように「人が消えた…」と呟いた

アパートの外壁は赤茶色のレンガ風のデザインのタイルが打ち付けられており
ドアの内側はクリーム色の塗装が施されている為にドアが開いてない状態で人が入って行った様にしか見えなかった
部屋の内見時に同じアパートの複数の部屋を見て回ったのでおそらく全ての部屋の内装は同じである事は間違いない

0227本当にあった怖い名無し2023/11/07(火) 00:29:54.05ID:GpjIafaP0
とりあえず自分の部屋に友人と入室し夕食の準備をしながらさっき見た現象についてあれこれ話をした
自分も友人もこれまで心霊体験などした事はなかったのだがあまりにもはっきりと見えてしまったので
念の為に…という事でアパートの管理会社に連絡を行い部屋の借主に異常がないか確認してみてくれと依頼した

友人と共に慣れない食事準備を進めながら夕食をとり、寛いでいると突然、チャイムが鳴った
出てみるとそこにいたのは管理会社の担当者、アパートのオーナーの奥さん、警察官だった
どうやら214号室の住人が室内で亡くなっておりとにかく話を聞かせて欲しいとの事だった

0230本当にあった怖い名無し2023/11/07(火) 04:11:27.95ID:GpjIafaP0
214号室の住人は単身の中年男性で前日の仕事を終えた後、帰宅。本日の仕事は休みで出社はしていないとの事
鍵も施錠されており室内に荒らされた形跡も争った形跡もなく帰宅直後の突然死だったようである
第一発見者的な自分達2人とは特に接点も無さそうであるという事と他に事件性も考えにくく病死扱いとして処理された

その後しばらくは214号室は空室状態だったがいつの間にか中年女性が住人として部屋を借りたようであった
これは自分が若い頃に体験した心霊現象なんだがその時一緒にいた友人も含めその後に一切の心霊体験はない
怖かった記憶も特になく初めて作るスパゲッティの分量が分からず一度に500g一袋全て茹でてしまって
友人と二人満腹状態でお腹が苦しかった思い出だけは何となく覚えてるよなぁ…wって最近会って語り合った

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