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第252話 手

307 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/02/26 23:05
俺が高校1年の頃の話。
放課後、教室の掃除の担当になっていて、数人と共に掃除してたんだよ。
椅子を机の上に上げて、それを教室の前半分に押し詰めて、
うしろ半分の床を掃除した後、今度はその逆を…ってやつ。 

それで床を柄の長いT字のアレで掃除してて、
何気なく教室と廊下を隔てる壁の上についている小窓をみたら、
なんか開いている窓のところに、廊下側から誰かぶら下がってたのよ。
手だけが見えてた。
今思えば何かあやしい感じがしたのかもしれない。
凝視して、他の誰かが気づくまで見逃さないようにしようと思った。
でも他に誰も気づかない。20秒くらい見つめてた。

掃除用具入れは廊下にあって、最初に掃除用具を取り出したときに、
廊下に友人たち3人がいるのを見てた俺は、
奴らがふざけているのかも知れないと思った。
だから、その手が引っ込んだとき、すぐさま廊下に出ていくことにした。
俺は教室後側の出入口から出ていく間、その開けっ放しの出入口を凝視して、
犯人を確かめようとしたんだが、誰も通らなかった。
~続く~

308 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/02/26 23:08
で、廊下に出るとまだ友人たち3人がいて、
「おまえら、なにしとんじゃ」って大きめの声でそいつらに言った。
本当はそいつらのせいであることを望んでいたのかも知れない。
けど、そいつらのいた場所と手がぶらさがってた窓とは少し距離があった。
そいつらの誰かが犯人だったとして、俺が廊下に行くまでの5秒未満の間に
そこまで移動した可能性はあるけど、
そいつらのうち2人は廊下の教室側の壁じゃなくて反対側に寄りかかってた。
俺が来たときもずっと前から寄りかかって雑談していた感じ。
(足がかなり前に出ていて、長く寄りかかっていたってのが分かった)
それで「は?」とか言われてしまった。俺も不思議な気分になって
「今ここで(おまえらの中の)誰かがぶら下がってただろ?」て言ったら
「いや、ずっと俺らしかいなかったぞ」と、
自分達がやったという可能性をみじんも考えてない返答。
騙されてるのかとも思ったが、騙しているとしたら笑ってない。
ポーカーフェイスが得意な奴らでもないことは知っている。
誰か通らなかったかと聞いても誰も通ってないって答えた。
すごく不思議そうな顔してたの覚えてる。 

俺はわりと理屈屋だから後でいろいろ理由を考えたけど、
どれもどこかしら無理があって未だに答えを出せないまま、
もう10年が経とうとしている。 ~了~

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