- 175 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/05/04 09:02
- 子供のころ、時々遊びに行っていた神社があった。
自宅から1キロほどの山のふもとにある、小さな神社だった。
神社は大抵ひとけがなく、実に静かだった。神社の横が小さな林になっていたのだが、その林の木のつるが上手い
具合にたれ下がっていて、ブランコみたいになってるところがあった。木の
つるだからゆれる幅も狭いが、自然にできたブランコという漫画みたいな
場所は子供心にも面白さを感じる。近所の子供はそれのために時々
神社に足を向けていた。ある日、その場所に一人で出かけた。一人だった理由はもう思い出せ
ない。多分遊びに誘った子達が皆出かけていたか何かだったのだろう。 - 176 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/05/04 09:02
- 神社の境内はいつもどおり、手入れはされていたがひとけはなかった。
横の林に入り、つるのブランコに向かおうとしたとき、妙なものが目に入った。人の顔。妙に白い人の顔がブランコの少し手前にあった。
プールで仰向けになり、顔の部分だけ水面上に出している様子を思い浮
かべて欲しい。丁度そんな感じで、顔だけが仰向けに地面の上にあったのだ。 - 177 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/05/04 09:03
- 私は足を止め、その顔を眺めた。お面だろうか?しかし作り物には思えなか
った。結構整った顔立ちだったと思う。女なら美人だといってもいいくらいに。
その目はまっすぐ天を見つめている。近づいて確かめたいという気持ちと、逃
げたいという気持ちの気持ちが拮抗して私は動けなくなった。しかし私はすぐに脱兎のごとく逃げ出した。
目が、不意にきょろっと動いて私を見つめたからだ。私はそれ以来そこには行かなくなった。
- 178 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/05/04 09:04
- 物理的に誰かが本当に埋まっていたというのは考えにくい。地面は木の根
が這い回っていて、非常に掘りにくいはず(自宅の庭の一部が似たような
状態になっていて、車庫を作るときに掘り返した。)。本気でやるなら数人
がかりで掘って、体を埋める必要がある。しかし何のため?何かの撮影な
ら小さな田舎町のこと、噂にならないはずがない。いたずらや覗きならあまり
に割に合わない。一日待って誰も来ないこともありうるのだから。 - 182 :175 [sage] :03/05/04 12:03
- コピペし忘れた。>>178と>>179の間。
しかし何よりあの顔だ。そこには苦労して埋まって、我慢して何かを待ってい
る様子は全く感じられなかった。ただ静かに天を眺めていた不気味にきれい
な顔。あれは埋まったのではなく、地面の下からぷかりと浮かんだのだしか
思えなかった。 - 179 :あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] :03/05/04 09:12
- 数年前、約20年ぶりにそこを訪れた。木のつるブランコは垂れ下がって地面
に達してしまい、もはやブランコではなくなっていた。