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第444話 奇妙な黒い影

752 :1/3[sage] :04/12/03 03:56:43 ID:1OUiRUCY
初めて書き込ませてもらいます。
enigmaは前から楽しく読ませてもらってます。
不思議というか、自分的には気味が悪い感じだったのですが、自分の体験です。 

5年前、俺は大学1年で、夏休みのある日彼女と代々木公園でぶらぶらしていた。
夕方になって遊歩道から木々の中へ入った場所にベンチがあるのを
見つけたので、そこでしばらくまったり話なんかしてた。
するとあるとき急に、とても強い違和感のようなもの、を感じた。うまく言えないが、
周りの様子は一見全く変わらないのだが、しかし本質的には全く違う状態に
いつの間にか変わってしまっている、ということに気付くような気分だ。

そしてすぐにその違和感の原因が、誰かに見られていることだとなぜか気付いた。
それも、自分の頭の左後ろの方角から、というのが分かった。
よく視線は見えなくても感じる、とは言うが、こんなにはっきり感じるなんて不思議だ、
と後で思った。
ともかく左後ろを振り返ると、やはりいた。10mくらい離れた木の後ろから、首だけ
出している影が見える。夕方とはいえ空はまだオレンジ色で大分明るかったが、
その影はこちらに対してちょうど太陽を背にしている格好だったので、
それは黒いシルエットとしてしか見えなかった。(これもとても幻想的な感じがした。)

753 :2/3[sage] :04/12/03 03:57:59 ID:1OUiRUCY
その影を認めたとき、最初はぎょっとしたが、すぐに俺は覗きか、と思った。
代々木公園ではよく覗きが出る、というのは有名だったからだ。
(というか代々木公園でカップルが痴態を繰り広げすぎ、ということのような気がするがw)
俺はすぐにその影が出ている木に近づいていった。
覗きに少しむっとし、また好奇心もあり、近づけば逃げるだろ、くらいな考えからだ。
そしてすぐに5mくらいまで近づいたのだが、俺は???となった。
影が妙な動きを始めたのだ。
焦ったような動きで、その木の左右から交互に首を出し始めたのだ。
音をつけるなら、ひょこ、ひょこ、といった感じ。 

俺は妙な動きをするなぁ、と思いながらも近づいたが、3mくらいのところで
思わず止まってしまった。
早すぎるのだ。出来るかぎりそういう動作をしたら出来なくもないだろうが、
交互に首を出すペースが、不自然に早すぎる。
まだ明るいオレンジ色の空を背にして、真っ黒な首の影が木の右から左から
にょきっ、にょきっ、と出てくる。
俺は少しぞっとして、その光景がこの世のものではないように感じた。

754 :3/3[sage] :04/12/03 03:59:51 ID:1OUiRUCY
そして次の二つのおかしな点に気付いたとき、俺はただちにその場から立ち去ろう、と思った。
一つは、首をひょこひょこ出したりして、その影の人物は木の後ろで結構激しく動いているはず
なのに、首から下の体のラインが全く見えないこと。
そしてもう一つは、近づいてから分かったのだが、その木はそんなに太い木ではなく、
大人の胴体が隠れるほどの幹の厚さがなかったことだ。(30~40cmくらい)
その木の後ろの様子に関して、思わず俺は嫌な想像をしてしまった。 

俺は木から出来るだけ目を離さないようにして、彼女にここから立ち去ろう、と告げ、
自分のところに近づいてくるのを待った。
そしてやはり木の後ろがどうなっているのか好奇心があったので、その木に右から周り込む
ように近づき、その木の後ろを確認しつつ離れた。
しかしもはやあの影はなく、木の後ろにも何もなかった。

755 :752[sage] :04/12/03 04:15:07 ID:1OUiRUCY
以上です。すみません、あまり面白くないなw 

自分は幽霊とか、妖怪とかそういう説明のものは信じ難い、
と思っているので、単に子供が焦って挙動不審になり、ちょっとした
隙に逃げたのかも、とも思います。(確かに身長は低めだった)

でも微妙に首は長かったんだよなあ、異様でした。
よくある光景なんですかね?

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