第651話 骨壷

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222 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/11/01(火) 22:04:53 ID:PNQVBQsR0
>>221
どうぞ。

2-1
当時手芸店で働いていました。
その日はあまり仕事が忙しくなく手が空いていたので
レジの所で同僚と話をしていました。
「最近生地(布)がよく売れるよね~。」
「この前の人は仏壇だか祭壇だかに使うとか言ってたよ。」
「え?仏壇?」などと話していると
手芸店には珍しく男性のお客様がいらっしゃいました。
「いらっしゃいませ~!」
そのお客様がレジの前にスッと来ました。
「骨壷を包む布を下さい。」
「へ?骨壷を・・・ですか?」
「は~、もうずいぶん買ったんですけどすぐ燃えちゃうから・・・」
「は?燃えちゃうんですか?」
「ええ、燃えちゃうんですよ・・・」
頭の中ではどうして骨壷を包むと燃えちゃうのかについて
いろいろ考えを巡らしつつ
布の必要量をざっと計算して布を切りました。

223 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/11/01(火) 22:06:28 ID:PNQVBQsR0
2-2
「あの~ご存知ですか?○○であった火事なんですけど・・・」
横に居た同僚が割って入ってきました。
「ああ!知ってます!可哀相にね~。」
「たしか外国人の奥さんと小さな子供さんが三人焼死したっていう・・・」
「ええ、そうなんですよ。妻と子供が・・・」

そのお客様は涙をいっぱいためながら
ぽつりぽつりと話してくれました。
「私が出掛けている間に妻と子供は火事に遭い死にました。」
「きっとその所為なんだと思うんですよ、布が燃えてしまうのは・・・」
「いくら新しい布を買ってきて包んでも燃えてしまうんです。」
なんと声を掛けてよいものやら・・・
しどろもどろでお会計を済ませました。

その日帰宅と同時に
古い新聞のストック場所に飛んでいき
数日前の火事の記事を探しました。
載っていました。

244 :本当にあった怖い名無し[sage] :2005/11/03(木) 10:48:55 ID:CsjgTg+E0
>>222-223の補足です。
当時私が生地(布)の仕入れ担当だった事もあり
生地の売れ具合を気にしていました。

同僚が仏壇の話を振ったのはおそらく
買いにいらっしゃったお客様が手芸店には珍しく
男性の方だったからよく覚えていたのだと思います。
それに仏壇用に生地を買うなんて普通じゃ考えられませんし。

>「あの~ご存知ですか?○○であった火事なんですけど・・・」
この台詞は男性客が言ったものです。

>横に居た同僚が割って入ってきました。
>「ああ!知ってます!可哀相にね~。」
>「たしか外国人の奥さんと小さな子供さんが三人焼死したっていう・・・」
この台詞を言った同僚は地元の人なのでこの火事を知っていたのだと思います。

新聞記事を探すに当たって、奥さんは外国人で、
場所は○○というのを手がかりに探しました。
記事には、火事は旦那さんが留守にしていた時に起こった事、
亡くなった奥さんの名前(カタカナ)と子供さん3人の計4人の名前が載っていました。

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『第651話 骨壷』へのコメント

  1. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/02/17(火) 08:03:00 ID:3bc4a7d4b

    旦那さんの中で「燃えるのが当たり前」になっているのが怖い。

  2. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/04/26(日) 13:07:00 ID:ffd6810be

    まだこの世に未練があるんじゃ…………

  3. 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2015/06/11(木) 14:58:13 ID:c437115f1

    そもそも、火事は何故起きたのかな?
    解決出来てない事があるから、子供が訴えてるんじゃないの?

  4. 名前:名無しの 投稿日:2015/07/13(月) 02:00:19 ID:a0d20a538

    パパもおいでよって。