第1668話葛籠

2010/8/8（14年前） Part58 14

82 ：本当にあった怖い名無し[sage] ：2009/11/09(月) 11:38:59 ID:HINRD6M/0 BE:3519464279-2BP(0): 俺は幼稚園児だった頃、かなりボーッとしたガキだったんで、母親は俺をアパートの留守番に置いて、買い物に行ったり小さな仕事を取りに行ったりと出かけていた。
ある日いつものように一人でボーッとしていたら、誰もいないはずの台所でガタガタ音がするのに気がついた。
誰もいないはずだよね～と襖を少し開けて見てみたら、見知らぬニーちゃんが二人、台所のあちこちの引き出しを開けてなんだか探していた。
泥棒だ！と驚いて、流石に怖くなって押し入れに隠れようとした。窓から大声出して助けを求めようとは気がつかなかった。
押し入れの襖を開けると、漆みたいな色をしている大きな箱があったので、そこに隠れた。
しばらくして台所方面の襖を開ける音がして、ボンボンと足音が聞こえてくる。
…そりゃ、泥棒もすぐ押し入れのでかい箱に気がつくよな、部屋の真ん中に引き摺られる感触がして、蓋を開けようとして…開かない。
別に中から俺がなにかしてるわけでもないのに、すぐ外から「ん！ん！」って声も聞こえているけど、蓋が開かない。
もう一人の小さな声が聞こえて、ちょっとだけ開けようという力を感じたんだけど、すぐ静かになった。
ベテランの泥棒って三分とか五分とか時間を決めて、獲れるものだけ獲って、あとは諦めるんだってな。
それを知らないからずーっと息を潜めていたら、しばらくして母親の驚く声が聞こえた。
警察を呼んで、結局泥棒は見つからなかったんだけど、なんで俺が無事だったのか、みんな不思議がってた。
だいぶ経ってから母親から、その箱は「葛籠（つづら）」というものであり、俺のバーちゃんがジーちゃんの家に嫁に来たとき嫁入り道具を入れていたもんだって聞いた。

『第1668話葛籠』へのコメント

名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/11(水) 12:34:00 ID：f00901c93

婆ちゃんＧＪ！
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/11(水) 19:34:00 ID：3d946cb6a

天国のばあちゃんが守ってくれたのだな…多分
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/11(水) 22:32:00 ID：4f6cb5178

守ってくれたんだ！
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/12(木) 00:22:00 ID：e06c06d2f

婆ちゃんＧＪすぐる！
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/12(木) 01:15:00 ID：397480a5f

婆ちゃんは死んでねーからｗ勝手に殺すなよｗｗｗｗｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/12(木) 08:56:00 ID：8443432bd

ゾッとした…助かって良かったね。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/13(金) 12:24:00 ID：10cd0e07e

すごい！
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/14(土) 03:57:00 ID：8d308f6ee

なるほど、昔の物は不思議な力があるんだな。それが、もしプラ･ケースだったら……こわッ！
名前:JOKER 投稿日：2009/11/18(水) 14:37:00 ID：b120db00a

なんか好きだから。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2009/11/18(水) 22:46:00 ID：ac3564b14

これいいね！守ってくれたんだな。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2011/09/25(日) 07:35:30 ID：b46ba2cbf

幽霊より生きてる人間のがよっぽど怖いね。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2012/07/20(金) 15:18:12 ID：13473afdb

婆ちゃんの葛籠が孫を守る､いい話だねｗ
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2013/02/26(火) 21:27:03 ID：6dd75a69a

幼児を残して外出する母親にも問題があると思う。
だけど、おばあちゃんの孫を守る想いは素敵だと思う。
名前:本当にあった怖い名無し投稿日：2018/05/25(金) 08:59:15 ID：5a78168ef

昔は長時間の外出でもない限り、幼稚園児くらいがお留守番なんて普通だったのよ。

『第1668話 葛籠』へのコメント

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